子どもの鼻血は珍しくありませんが、急に多く出ると保護者の方は不安になります。多くは鼻の入口に近い粘膜からの出血で、座って少し下を向き、小鼻を約10分間しっかりつまむことで止血できます。一方、圧迫しても止まらない、顔色が悪い、外傷後に出た、何度も繰り返す場合は診察が必要です。
この記事の結論
鼻血が出たら上を向かず、口へ回った血は飲み込まずに出します。鼻骨ではなく柔らかい小鼻を左右からつまみ、途中で確認せず約10分圧迫してください。30分程度適切に圧迫しても止まらない、出血が激しい、ふらつきや顔色不良がある場合は早めに耳鼻咽喉科または救急医療機関へ相談します。
子どもの鼻血の正しい止め方
- まず座らせる:衣服をゆるめ、落ち着いて呼吸できる姿勢にします。
- 顔を少し下へ向ける:のどへ流れた血を飲み込ませず、口から出させます。
- 柔らかい小鼻をつまむ:鼻の硬い骨ではなく、左右の小鼻を親指と人差し指で鼻中隔へ押しつけます。
- 約10分間続ける:途中で何度も手を離すと血の塊が外れ、再出血しやすくなります。時計で測りながら続けます。
- 止まった後は安静にする:しばらく強く鼻をかむ、鼻をいじる、激しく運動する、熱い風呂に入ることを避けます。
出血の多くは、左右の鼻を分ける鼻中隔の前方にある血管の集まった場所から起こります。出血点を外側から圧迫するため、小鼻を正しい位置でつまむことが重要です。
上を向く?ティッシュを詰める?避けたい対処
上を向かせない
上を向くと血がのどへ流れ、せき込みや吐き気の原因になります。飲み込んだ血で嘔吐することもあるため、顔はやや下向きにします。横になる必要がある場合も、あお向けではなく顔を横へ向けます。
ティッシュを奥まで詰めない
ティッシュや綿を何度も出し入れすると粘膜を傷つけ、止まりかけた血の塊をはがすことがあります。鼻の奥へ押し込んだ異物が取れなくなる可能性もあります。家庭ではまず小鼻の圧迫を優先します。
短時間で何度も確認しない
1~2分ごとに手を離すと、十分な血栓ができません。出血量が急激に増えていないかを見守りながら、約10分間は連続して圧迫してください。
子どもが鼻血を出しやすい主な原因
鼻をいじる・強くかむ
子どもの鼻粘膜は傷つきやすく、爪でこする、綿棒を入れる、強く鼻をかむと出血します。片側から繰り返す場合は、同じ場所を触る習慣がないか確認します。
かぜ・アレルギー性鼻炎
鼻水、くしゃみ、鼻のかゆみがあると、鼻をこする回数が増えます。炎症で粘膜自体も傷つきやすくなるため、鼻血だけでなく原因となる鼻炎の治療が必要なことがあります。
乾燥
冷暖房、冬の乾燥、口呼吸などで鼻の入口が乾くと、かさぶたができて再出血しやすくなります。乾燥したかさぶたを繰り返しはがすことも悪循環になります。
副鼻腔炎・鼻中隔の形・鼻の異物
粘りのある鼻水や炎症、鼻中隔弯曲、鼻に入れた異物などが刺激となることがあります。片側だけの悪臭を伴う鼻水と鼻血が続く幼児では、鼻内異物も考えて診察します。
まれに全身の病気
多くの鼻血は局所の原因ですが、歯ぐきからも出血する、原因不明の青あざが増えた、少しの傷でも血が止まりにくい、家族にも出血しやすい人がいる場合は、血液の病気などを含めた評価が必要です。
鼻血を繰り返すときに記録したいこと
診察では鼻血が出ていない時間の情報も重要です。次の点をメモしておくと原因を絞りやすくなります。
- 左右どちらから出るか、両側か
- 週・月に何回程度か、いつから続くか
- 止血までにかかる時間とおおよその量
- 就寝中、起床時、入浴後、運動後など出やすい時間
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、かゆみの有無
- 鼻をいじる癖、使用している点鼻薬
- 青あざ、歯肉出血、発熱、体重減少など鼻以外の症状
「頻回」の感じ方はご家庭で異なります。回数だけでなく、生活への支障、貧血を疑う症状、圧迫で止まるかを合わせて判断します。
耳鼻咽喉科・救急を受診する目安
早めに救急相談・受診
- 30分程度、適切に圧迫しても止まらない
- 血が勢いよく流れ続ける、口から大量の血を吐き出す
- ふらつく、ぐったりする、顔色が悪い、意識がぼんやりする
- 転倒や打撲など顔面・頭部の外傷後に出血した
- 出血しやすくなる病気がある、抗凝固薬などを使用している
診療時間内に耳鼻咽喉科へ
- 同じ側から何度も繰り返す
- 毎週のように出て、学校や睡眠へ影響している
- 鼻づまり、膿性鼻水、悪臭、鼻の痛みを伴う
- 歯ぐきの出血や青あざも目立つ
- 正しい圧迫方法が分からない、家庭で止めるのが難しい
出血が止まっていても、繰り返す場合は診察できます。大量出血時に無理に自家用車で移動せず、状態が悪いときは救急要請を検討してください。
耳鼻科で行う診察と治療
鼻鏡や内視鏡で出血しやすい場所、傷、かさぶた、炎症、異物、できものの有無を確認します。活動性の出血があれば、圧迫、止血薬、処置用材料、出血点の焼灼などから状態に応じて選びます。処置後は再出血を防ぐため、鼻をいじらないことや運動・入浴の注意を説明します。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が背景にある場合は、その治療も並行します。出血の仕方や全身症状から血液疾患が疑われる場合には、採血や小児科・血液内科への紹介を検討します。すべてのお子さんに採血が必要なわけではありません。
家庭でできる再発予防
- 爪を短くし、鼻をいじる習慣を減らす
- 強く一気に鼻をかまず、片側ずつやさしくかむ
- 室内の乾燥を避ける
- 鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻づまりが続く場合は鼻炎を治療する
- 処方された点鼻薬は鼻中隔へ直接当てず、外側へ向けて使用する
市販の軟膏やオイルを鼻の奥へ自己判断で入れるのは避けます。保湿が必要な場合は、塗る場所や製品を診察時に確認してください。
よくある質問
鼻血を飲み込んで吐きました。大丈夫ですか?
寝ている間に鼻血が出るのは病気ですか?
冷たいタオルで鼻を冷やすと止まりますか?
鼻血が止まった直後に学校へ行ってよいですか?
参考情報
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の緊急性は出血量、全身状態、基礎疾患などで異なります。


