アレルギー検査
鼻水・くしゃみ・目のかゆみなど、毎年の花粉症や通年性のアレルギー症状でお困りではありませんか? 当院では、お子さんにもやさしい指先採血や当日結果がわかる検査を含めて4種類のアレルギー検査を行っております。
検査結果は再度来院することなく、チャットシステムでのご説明も可能です。
このページでは、当院で受けられるアレルギー検査の種類や特徴、費用、検査の流れについて解説しています。
アレルギー検査とは?
アレルギー検査は、花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状の原因となる「アレルゲン(アレルギーの原因物質)」を特定するための検査です。くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状がある方にとって、正確な診断と治療方針を立てるために欠かせないステップです。
アレルギー検査のメリット
✅ アレルゲンが特定できることで、回避策や治療(舌下免疫療法など)が可能になります
✅ 舌下免疫療法の適応を確認するためにも必須の検査です
✅ 当院では最短20分で結果がわかる迅速検査にも対応しており、受診当日に治療方針が立てられます
✅ 指先採血にも対応しており、注射が苦手な方やお子さまでも安心して受けられます
✅ 結果はチャットシステムでも確認できるため、再来院の手間を軽減できます
検査方法には、鼻水中のアレルギー性細胞を調べる「鼻汁好酸球検査」や、アレルゲンごとの反応を数値化できる「IgE抗体検査(血液検査)」などがあり、それぞれに特徴があります。
特に近年では、花粉症やダニアレルギーの低年齢化が進んでおり、お子さまにも早期の検査が推奨されています。当院では、5歳以上のお子さまに対応した針が見えない指先採血器具を使用しており、痛みに配慮した環境で検査を行っています。
当院では、耳鼻咽喉科の専門性を活かした鼻汁好酸球検査や4種類のアレルギー検査をご用意しています。お子さまから大人の方まで幅広く対応し、症状・年齢・生活スタイルに応じて最適な検査・治療をご提案しています。
なお、当院は耳鼻咽喉科のため、食物アレルギーに関する専門的な診療や除去指導は行っておりません。すでに症状がある場合は、小児科またはアレルギー専門医療機関へのご相談をおすすめいたします。
当院でできる検査の種類
鼻汁好酸球検査
吸引した鼻水の中に「好酸球」と呼ばれるアレルギーに関わる細胞が含まれているかを見る検査です。
かぜや副鼻腔炎などのウイルスや細菌が原因の鼻水ではほぼ陽性とならないため、この検査が陽性の場合はまず間違いなくアレルギー性鼻炎であると診断することができます。
顕微鏡で観察された好酸球の数によって、「−」、「±」、「1+」、「2+」、「3+」の5段階で検査結果が表されます。
診察時にお鼻を吸わせていただく際に、吸った鼻水をそのまま検体として提出できるため、お子さんでも負担が少ない検査です。
何のアレルギーかまではわからないため、陽性の場合には血液検査など詳しい検査を検討します。
検査方法:吸引した鼻水や鼻の粘膜から綿棒で採取
結果がわかる時期:5-7日
費用:420円(保険診療3割負担の場合、お子さんは医療費助成の対象)

好酸球鼻汁検査の顕微鏡写真
引用元:https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=8022
アレルギー症状の原因を調べるために、血液検査で「IgE(アイジーイー)抗体」の量を測定します。IgE抗体はアレルギー反応に深く関わる免疫物質のひとつで、体の中でアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対する反応を知るための大切な指標です。
(総IgE)
非特異的IgE検査は、血液中に存在するすべてのIgE抗体の総量を測定する検査で、この後ご説明する特定のアレルゲンに対する検査(特異的IgE抗体検査)と同時に測定されることも多い検査です。
特徴:
・気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー体質かどうかの傾向を把握する初期検査として役立ちます。
・どのアレルゲンに反応しているかまでは分かりません。
注意点:
・総IgEが高くても、必ずしもアレルギー症状があるとは限りません。
・反対に、正常値でも特定のアレルゲン(スギ花粉抗体など)が陽性となる場合もあり、完全にアレルギーを否定はできません。
・そのため、非特異的IgE検査のみでは診断がつくわけではなく、他の検査や症状を総合的に判断していきます。
検査結果の見方:
・成人では170以下[IU/ml]が正常範囲となります。
・1歳未満では20以下[IU/ml]が正常範囲内で、年齢とともに正常上限値が上がっていきます。
特異的IgE検査は、スギ花粉、ダニ、ハウスダスト、動物の毛、食物(卵、牛乳、小麦など)など、特定のアレルゲン(原因物質)に対するIgE抗体の有無や反応の強さを調べる検査です。
当院では以下の4種類の検査を行っています。
※記載されている費用には検査代に採血手技料、検査判断料が含まれます。また、初・再診料など250〜900円ほど別途でかかります。
1. 単項目測定法:CAP-RAST法(通常採血、1-13項目+総IgE)
検査方法:通常の採血
結果がわかる時期:5〜7日
費用:
1項目は1,182円、以降1項目につき330円追加、13項目で5,142円(保険診療3割負担の場合、お子さんは医療費助成の対象)
検査の特徴:
・疑わしい項目を一つ一つ選ぶことができます。
・抗体検査の中では最も精度が高い検査です。
おすすめの方:
・アレルゲンがある程度推定されている方
・決まった項目のみを、費用負担を抑えて調べたい方
検査でわかる項目:
任意の項目を1〜13項目まで
検査可能なアレルゲンは多岐に渡りますので、詳しくはこちら(http://sms-kensa.com/reference/chart/61-62P.html)をご覧ください。
2. イムノラピッド8(指先採血、8項目)
検査方法:指先からの採血
結果がわかる時間:20分
費用:3,090円(保険診療3割負担の場合、お子さんは医療費助成の対象)
検査の特徴:
・指先からの採血なので、お子さんや注射での採血が苦手な方でも採取がしやすい
・20分で結果がわかります
注意点:
・判定は数値ではなく、線の濃さを目視で判定するため判断が難しい場合があります
・非特異的IgE抗体検査は出来ないため、8項目がすべて陰性でもアレルギーによるものかを否定することはできません
おすすめの方:
・受診した当日に舌下免疫療法の適応(スギ、ダニ)の確認と治療開始をしたい方
・スギやダニなど8項目の中に含まれるアレルギーがあるかをすぐに知りたい方
・注射での採血が苦手な方、お子さん。通常の採血が取りにくい方
検査でわかる項目:以下の8項目
検査の流れ:
検査の見方:
判定線の濃さによって、−(陰性)、+(陽性)、++(強陽性)の3種類で判定します。
判定した結果をチェックした検査結果報告書をお渡しいたします。
3. view39(通常採血、39項目+総IgE)
検査方法:通常の採血通常の採血
結果がわかる時期:5〜7日
費用:5,142円(保険診療3割負担の場合、お子さんは医療費助成の対象)
検査の特徴:
一度に頻度の高い項目を複数同時に調べることができます。
おすすめの方:
・アレルギー症状があるが、何に反応しているか分からず、対策に困っている方
・アレルギー体質で、いくつかのアレルギーは判明しているがしっかりと調べたことがない方
・お子さんの体質やアレルギー傾向を知っておきたい保護者の方
検査でわかる項目:以下の39項目
検査結果の見方:
検査結果は上のような用紙で、紙でお渡しまたはデータでお送りいたします。
抗体の数値(Index値)によって、クラス0(陰性)、1(偽陽性)、2〜6(陽性)で判定します。
吸入系では、1+(偽陽性)の場合は症状を認めないことがほとんどですが、2+以上(陽性)になると臨床的にも鼻炎などの症状を認めることが多い印象です。一般的にクラスが高くなるほど症状も強い傾向になりますが、相関しない場合もあります。
食物系では、過去に問題なく食べている食物でも、2+以上の陽性で判定が出ることもよくあります。
過去に問題なく食べている場合には、栄養の観点からも陽性だからといって食べないようにする必要はございません。
4. SiLIS-100(指先採血、45項目+総IgE)
※当院では5歳〜18歳までのお子さん、通常採血が取れない大人の方のみに行っております。
検査方法:指先からの採血
結果がわかる時期:2〜3日(当院では院内検査ではなく、外注検査となります)
費用:5,142円(保険診療3割負担の場合、お子さんは医療費助成の対象)
検査の特徴:
・指先からの採血なので、お子さんや注射での採血が苦手な方でも採取がしやすいです。
・一度に頻度の高い項目を複数同時に調べることができ、特定原材料8品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、くるみ)すべてを検査できます。
・非特異的IgE検査も同時に行うことができるため、すべて陰性であってもアレルギーによるものかの判断ができます。
おすすめの方:
・アレルギー症状があるが、何に反応しているか分からず、対策に困っている方
・アレルギー体質で、いくつかのアレルギーは判明しているがしっかりと調べたことがない方
・注射での採血が苦手な方、お子さん。通常の採血が取りにくい方
・お子さんの体質やアレルギー傾向を知っておきたい保護者の方
検査でわかる項目:以下の45項目
指先採血の実際:
検査結果の見方:
検査結果は上のような用紙で、紙でお渡しまたはデータでお送りいたします。
抗体の数値(TA値)によって、クラス0〜1(陰性)、2〜6(陽性)で判定します。
吸入系では、1+(偽陽性)の場合は症状を認めないことがほとんどですが、2+以上(陽性)になると臨床的にも鼻炎などの症状を認めることが多くなります。一般的にクラスが高くなるほど症状も強い傾向になりますが、相関しない場合もあります。
食物系では、過去に問題なく食べている食物でも、2+以上の陽性で判定が出ることもよくあります。
過去に問題なく食べている場合には、栄養の観点からも陽性だからといって食べないようにする必要はございません。
アレルギー検査比較表

当院での検査の流れ
1. 医師による診察・問診
問診や診察所見から、検査の必要性やどの検査が適しているかなどを判断します。
2. 採血による検査
看護師による採血を行います。指先採血では針の見えないスタンプのような器具で血液を採取します。
3. 結果の判定
検査の種類によって、当日20分から約1週間まで判定にかかります。
4. 結果に応じた生活指導・治療のご提案(薬物療法・舌下免疫療法など)
対面での説明に加えて、結果が判明し次第チャットシステムでの結果データの送付、説明も可能です。
よくあるご質問
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アレルギー検査は何歳から受けられますか?
5歳頃まではアレルギー性鼻炎の有病率は低く、痛いおもいをして検査を行っても根治療法である舌下免疫療法の適応は5歳からで治療方針は変わらないため、5歳頃までは侵襲の少ない好酸球鼻汁検査やお薬で経過を見ることをおすすめしています。食物アレルギーのご相談については当院では専門的な指導や治療は行うことはできないため、すでにご症状のある方はアレルギー専門のクリニックや小児科にご相談ください。
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子どもでも検査できますか?
はい。当院では指先からの針が見えない器具での採血も行っておりますので、採血な苦手なお子さんも安心して検査していただけます。
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どれくらいの血液を採るのですか?
指先採血ではごく少量(数mL)、通常採血では採血管1本(約3〜5mL程度)です。検査項目数によっても異なります。
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検査結果はいつわかりますか?
通常、2〜7日以内に結果が出ます。受診日から1週間以降に来院いただくと確実です。
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検査前に注意することはありますか?
特別な制限はありません。空腹でなくても検査できます。ただし、採血を採取するため体調が良いときの方が望ましいでしょう。
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健康保険は使えますか?
はい。アレルギー症状がある場合は保険適用となります。お子さんの場合は医療費助成の適応となります。
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検査費用はどのくらいですか?
検査の種類や項目数により1,200〜5,200円程度となります。上記の各検査の費用欄をご参照ください。
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何項目くらい調べられますか?
単項目でご自身でお選びいただく場合は13項目まで。セット検査の場合は39-45項目まで判定が可能です。
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過去に検査したことがありますが、再検査は必要ですか?
体質や年齢によりアレルギーは変化することがあります。症状に変化がある場合には再検査を提案することもあります。
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検査結果が陽性でも、必ず症状が出るのですか?
必ず症状が出るとは限りません。特に食物アレルギーでは普段問題なく食べているものが陽性になることもよくございます。医師が症状との関連を総合的に判断します。
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食物アレルギーも調べられますか?
はい。卵、乳、小麦、大豆、ナッツ類など、必要に応じて検査は可能です。
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定期的に検査する必要はありますか?
症状の変化がある場合には、数年に1回程度の再検査をおすすめすることもあります。
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血液検査で分からないアレルギーもありますか?
はい。薬剤アレルギーや金属アレルギーなどは、別の検査方法が必要なことがあります。アレルギー専門のクリニックや皮膚科にご相談ください。
ご相談はお気軽にどうぞ
最近では国民の半分が花粉症と言われているなど、アレルギーの増加、低年齢化が問題となっております。
アレルギー検査は、お子さまにも大人の方にも大切な体調管理の第一歩です。
当院では、子育て中のご家族やお子さんが安心して受診できる環境を整え、時間指定での予約やチャットでの結果説明にも対応しております。板橋区、北区、豊島区周辺でアレルギーにお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
記事執筆者Writer

仲宿つくも耳鼻咽喉科・矯正歯科
院長 渡邉 格
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会 専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
日本嚥下医学会 嚥下相談医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
仲宿つくも耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科 / 小児耳鼻咽喉科 / アレルギー科
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