風邪をひいたとき、何科を受診すべきか迷ってしまうことはありませんか?実は、風邪の症状によって最適な診療科は異なります。鼻やのどの症状が強い場合、咳が続く場合など、具体的な症状別に内科、耳鼻咽喉科、小児科といった適切な診療科を詳しく解説します。ご自身の症状に合った医療機関を選ぶことで、より的確な治療と早期回復につながるでしょう。
風邪(かぜ)とは?
「風邪」は、正式には「急性上気道炎」と呼ばれる病気で、主にウイルスが鼻やのど、気管などの上気道に感染することで起こる炎症の総称です。多くの場合、軽度な症状で自然に治ることがほとんどですが、時には他の病気と区別が必要な場合もあります。
風邪の原因と症状
風邪の主な原因は、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど、さまざまな種類のウイルス感染です。これらのウイルスは、くしゃみや咳による飛沫、または接触によって人から人へと感染します。
症状は感染したウイルスの種類や個人の免疫力によって異なりますが、一般的には次のような症状が見られます。
| 主な症状 | 具体的な例 |
|---|---|
| 鼻の症状 | 鼻水、鼻づまり、くしゃみ |
| のどの症状 | のどの痛み、イガイガ感、咳 |
| 全身症状 | 発熱(微熱程度が多い)、頭痛、倦怠感、関節の痛み |
風邪と似た病気との違い
風邪の症状は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症、アレルギー性鼻炎など、他の病気と似ていることがあります。特にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、急な高熱や強いのどの痛みや倦怠感、関節痛などの全身症状が強く現れる傾向があり、重症化するリスクも考慮する必要があります。
ご自身の症状が「ただの風邪」なのか、それとも他の病気の可能性があるのか判断に迷うこともあるでしょう。症状が長引く場合や、いつもと違う強い症状を感じる場合は、医療機関での診察をおすすめいたします。
風邪(かぜ)で耳鼻科を受診するメリット
風邪をひいたとき、多くの方がまず内科を思い浮かべるかもしれません。しかし、風邪の症状によっては、耳鼻咽喉科を受診することに大きなメリットがあるのをご存知でしょうか?
耳鼻咽喉科は「耳・鼻・のど」の専門家
風邪の主な症状である鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳などは、耳鼻咽喉科が専門とする部位の症状です。内科でも一般的な風邪の診察は可能ですが、耳鼻咽喉科ではこれらの部位に特化した、より専門的なアプローチが可能です。
専門的な検査と処置で症状を詳しく診断
耳鼻咽喉科では、鼻やのどの奥の状態を間接喉頭鏡や内視鏡(ファイバースコープ)を使って詳しく観察したり、鼻水を吸引することで、風邪に併発する蓄膿症(副鼻腔炎)の有無を確認することができます。これにより、炎症の程度や原因を正確に把握し、風邪の症状がどこからきているのか、どのような状態なのかを詳細に診断できます。 鼻吸引やのどに直接薬を噴霧するネブライザー治療など、症状を直接的に緩和する専門的な処置も可能です。 特に、鼻水がたまりやすいお子さんの急性中耳炎の予防や、風邪がこじれて副鼻腔炎へと移行するのを防ぐために、これらの処置は非常に有効です。
耳の症状にも対応できる安心感
風邪をひくと、鼻やのどの炎症が耳に波及し、耳の痛みや聞こえにくさといった症状が出ることがあります。これは急性中耳炎などの耳の病気が原因である可能性も考えられます。耳鼻咽喉科であれば、耳の症状についても同時に診察し、適切な診断と治療をスムーズに受けることができます。特に、お子さんは耳管が未発達なため、風邪をきっかけに中耳炎になりやすい傾向があります。耳鼻咽喉科での早期発見・早期治療が、お子さんの耳の健康を守る上で非常に重要となります。
風邪以外の疾患の早期発見にもつながる
「ただの風邪だと思っていたら、実は別の病気だった」というケースも少なくありません。耳鼻咽喉科では、風邪の症状と似ているものの、より専門的な治療が必要な疾患、例えばアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、扁桃炎、声帯炎なども診断・治療が可能です。 これにより、風邪の症状の裏に隠れた病気を早期に発見し、適切な専門治療へと繋げることが可能です。
何科に受診すればいい?症状別のおすすめ診療科
風邪の症状は多岐にわたるため、どの診療科を受診すべきか迷ってしまうこともありますよね。ここでは、症状に応じた適切な診療科をご紹介いたします。
鼻やのどの症状が強い場合は耳鼻科へ
鼻水、鼻づまり、のどの痛み、声枯れ、耳の痛みといった症状が風邪で特に強く出ている場合は、耳鼻科の受診がおすすめです。耳鼻科と略されますが、正式には耳鼻咽喉科と言い、咽喉とは「のど」のことを意味します。医師の中でも耳、鼻、のどの部位の専門家であり、これらの症状に対してより専門的な検査や治療を行うことができます。
例えば、鼻の奥の状態を内視鏡で詳しく観察したり、鼻水を吸引する処置を行ったり、のどの炎症を直接治療したりすることが可能です。また、風邪が原因で中耳炎や副鼻腔炎といった合併症を引き起こしている場合も、耳鼻咽喉科であれば適切な診断と治療が期待できます。
鼻の症状を伴わない強い咳は大人は内科、お子さんは小児科へ
もし、鼻水やのどの痛みといった症状がほとんどなく、主に咳や息苦しさが強く続く場合や、発熱や全身の倦怠感が中心の場合は、以下の診療科を検討しましょう。
大人の場合は、内科や呼吸器内科が適しています。内科では、風邪による全身症状や、気管支炎、肺炎といった呼吸器系の合併症の診断・治療を行います。咳が1ヶ月以上長引く場合や、呼吸が苦しいと感じる場合は、内科の中でも「呼吸器内科」での専門的な診察が特に推奨されます。
お子さんの場合は、小児科を受診しましょう。お子さんの風邪は大人と異なる経過をたどることがあり、小児科専門医による適切な判断と治療が必要です。発熱や咳だけでなく、食欲不振やぐったりしているなど、全身の状態を総合的に診てもらうことができます。
症状別の受診先をまとめると以下のようになります。
| 主な症状 | 大人の場合 | お子さんの場合 |
|---|---|---|
| 鼻水、鼻づまり、のどの痛み、声枯れ、耳の痛み、発熱(鼻・のどの症状がメイン) | 耳鼻科 | 耳鼻科 |
| 強い咳、息苦しさ、全身の倦怠感、発熱(鼻・のどの症状があまりない) | 内科、呼吸器内科 | 小児科 |
| 発熱のみ、全身の倦怠感が強い | 内科 | 小児科 |
ご自身の症状や状況に合わせて、適切な診療科を選び、早めに受診することが大切です。
当院の特徴
当院では、風邪の症状でお困りの方が安心してご来院いただけるよう、様々な取り組みを行っております。皆様に寄り添った診療を心がけておりますので、ぜひご検討ください。
1.待ち時間の少ない時間予約制
おつらい症状の中、長時間待ったり、お子さんの機嫌をとるのはとても大変だと思います。当院では、皆様の貴重なお時間を大切にするため、10分ごとの時間予約制を導入しており、スムーズに受診していただけます。
2.感染対策を徹底した隔離室完備
発熱されている方とそうでない方、どちらも安心して診療を受けていただけるよう、入口から直接入れる個室の隔離室を2室完備しております。徹底した感染対策で、皆様の安全をお守りいたします。
3.様々な感染症検査が可能
一般的な迅速抗原検査から多項目のPCR検査まで、症状や発症からの時期から最も適した検査のご提案が可能です。インフルエンザでは、鼻綿棒を入れずにのどの写真をとるだけのAI機器を用いた検査(6歳以上)も行なっており、お子様でも安心して検査を受けていただけます。
よくあるご質問(Q&A)
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風邪をひいたとき、すぐに病院へ行くべきですか?
軽い症状であれば自宅で安静にし、水分補給や十分な休養を心がけてください。高熱や強い倦怠感、呼吸困難、長引く症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
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風邪とインフルエンザ・コロナの違いは?
風邪は主に軽い症状が多いですが、インフルエンザや新型コロナは高熱や強い倦怠感、関節痛など全身症状が強く現れることが多いです。症状が重い場合は早めに受診しましょう。
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市販薬で治りますか?
市販薬は症状を和らげる効果がありますが、根本的な治療ではありません。症状が改善しない場合や悪化する場合は医療機関を受診してください。
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風邪を早く治すコツは?
十分な休養・水分補給・バランスの良い食事・室内の加湿が大切です。無理をせず体を休めましょう。
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風邪の予防法は?
手洗い・うがい・マスク着用・十分な睡眠・バランスの良い食事が予防に有効です。
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風邪で仕事や学校は休むべき?
発熱や強い症状がある場合は無理せず休み、他の人への感染を防ぎましょう。
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耳やのどの症状が長引く場合は?
耳鼻咽喉科での専門的な診察をおすすめします。副鼻腔炎や上咽頭炎、中耳炎などの合併症の可能性もあります。
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妊娠中に風邪をひいた場合の注意点は?
自己判断で市販薬を使わず、必ず医師に相談してください。水分補給と安静を心がけましょう。
ご相談はお気軽にどうぞ
風邪は誰もがかかる身近な病気ですが、症状や年齢によって適切な診療科や対処法が異なります。
鼻やのどの症状が強い場合は耳鼻咽喉科、咳や全身症状が中心の場合は内科や小児科の受診をおすすめいたします。
早めの受診や十分な休養・水分補給が早期回復のポイントです。
当院では、皆様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療と、安心して受診できる環境づくりに努めております。風邪やかぜ症状でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。


