Bスポット療法
Bスポット療法(上咽頭擦過療法)とは?
- 鼻水がのどに流れる
- 鼻の奥の違和感
- 鼻声
- 頭痛
- 肩こり
- 慢性疲労
- 咳
- 鼻水がのどに流れる
- 鼻の奥の違和感
- 鼻声
- 頭痛
- 肩こり
- 慢性疲労
- 咳
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- 鼻声
- 頭痛
- 肩こり
- 慢性疲労
- 咳
上咽頭炎と治療法について
上咽頭(じょういんとう)は鼻の奥にある、のどの一番上の部分で、鼻から吸った空気中のウイルスや細菌などに反応する免疫器官でもあります。ここに病的な炎症が長引いて慢性化したものが慢性上咽頭炎です。上咽頭には神経線維が豊富で迷走神経が投射しており、自律神経とも密接に関係しているため、鼻やのどの症状だけでなく頭痛や肩こり、咳などの症状も起こすことがあります。
上咽頭に塩化亜鉛を擦過、塗布する治療は、俗にBスポット療法と呼ばれ、1960年代に東京医科歯科大学の故堀口申作先生が提唱された治療法です(鼻咽腔の頭文字からBスポットと呼んだそうです)。当時は万病に効くと宣伝されたため、科学的な評価を受けることはできませんでしたが、近年になってその効果発現のメカニズムの一部については説明が可能となり、上咽頭擦過療法(EAT:Epipharyngeal Abrasive Therapy)と呼ばれ再評価されています。コロナ後遺症の一部は上咽頭炎が関係しており、その治療としても注目されています。しかし、耳鼻咽喉科の中でもまだまだ一般的な処置ではなく、行っていない病院も多いのが現状です。詳しいメカニズムなどは日本病巣感染症研究会のHPにとても詳しく載っておりますので興味のある方はご覧ください。詳しくはこちら
コロナ後遺症の方を中心に少しでも症状が改善するのであればと当初は半信半疑で行っておりましたが、この処置により後鼻漏や鼻の奥の違和感、鼻声、頭痛、肩こり、慢性疲労、咳などの上咽頭炎に伴う症状が改善した患者さんを多く経験し、当院でも慢性上咽頭炎の患者さんを中心にこの治療を行っています。Bスポット療法は症状が1ヶ月以上続いている慢性上咽頭炎の患者さんでは、改善まで複数回の治療を必要とします。週1~2回の通院でまずは5回行っていただき、ご本人の自覚症状の改善具合と内視鏡検査(原則月1回)での炎症所見を総合的に判断し、治療の継続や頻度を相談していきます。
この治療は保険診療です。3割負担の方で1回あたりの処置料は600円程度、月1回の内視鏡検査は1800円になります。(その他に初診料などが別途かかります)
鼻うがいで上咽頭に付着しているウイルス・細菌を洗浄することや睡眠時に口呼吸になっている方では口テープを睡眠時に使用し口呼吸を防止することも慢性上咽頭炎の予防・改善によいとされています。鼻うがいはNeilMed社のサイナス・リンス®︎をお勧めしており、当院でも購入いただくことも可能です。
Q&A
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処置は痛いですか?
この治療は上咽頭炎に薬を「塗る」のではなく、「こする」のが重要と言われています。そのため麻酔をしてもどうしても全く痛みがなく行うことは難しい治療です(私も心を鬼にして毎回行っています・・・)。痛みは人によって感じ方が異なりますので、状況を見ながら適宜麻酔の追加や鼻だけの処置に切り替えたりなどご相談させていただいています。治療を繰り返し行って炎症が改善していくにつれて、痛みや出血も少なくなっていくことが多いです。
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処置後に注意することはありますか?
薬を塗布した後は数時間程ヒリヒリとした痛みがでます。特に上咽頭の炎症が強い方では数日ヒリヒリしたり、治療前より一時的に症状が強くなったり、頭痛がしたりすることがありますが一時的なものです。また、治療後は炎症が強い方ほど血の混じった鼻水や痰が出たりします。特に最初の数回は出血が多いですが、自然に止血されますし、回数を行っていくにつれて量も少なくなっていきますのでご心配いりません。
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どれくらいの間隔で治療を行えばいいですか?
通院の労力や治療の進み具合などから、当院では週に1,2回のペースでまずは5回行っていただくことをお勧めしております。その上で少しでも自覚症状の改善が認められるようであれば、症状や内視鏡検査での所見を見ながら症状が改善するまで、または変化がなくなるまで行っていきます。
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のどの反射が強いのですが大丈夫ですか?
反射が強い方に関しては麻酔を追加することで行える場合もございますが、難しい場合は鼻からの処置のみで対応させていただきます。のどの処置と併用する場合に比べて改善のスピードはやや緩やかになることが多いですが、鼻からのみでも十分治療は可能です。
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一旦症状が改善したら治療は行わなくてもいいですか?
治療によって上咽頭粘膜は扁平上皮化され一旦改善しますが、半年以上治療をしないでいると粘膜が再生し、再度炎症を起こすことがあります。症状がまた出てしまったら治療を再開しても良いですし、再発してまた症状が出ることが心配な方に関しては月に1,2回程度メンテナンスのような形で治療を継続することをお勧めしております。
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治療は具体的にどのように行っていますか?
当院では基本的に口→鼻の順番で1%塩化亜鉛溶液を浸した綿棒を用いてブラインドで上咽頭の擦過を行っております。内視鏡は初診時と月に1回程度行い、上咽頭の炎症の程度や部位を確認しております。内視鏡観察時は必要に応じて内視鏡下にE-TO-EAT、E-TN-EATを行っております。
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鼻内翼口蓋神経節刺激法(Intra Nasal SphenoPalatine Ganglion Stimulation; INSPGS:インスピグス)は行っていますか?
頭痛、倦怠感、疲労、ブレインフォグ、羞明などのコロナ後遺症を疑う症状のある方でご希望がある場合は行っております。ご希望の際はお申し出ください。
記事執筆者Writer

仲宿つくも耳鼻咽喉科・矯正歯科
院長 渡邉 格
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
日本気管食道科学会 専門医
日本音声言語医学会 音声言語認定医
日本嚥下医学会 嚥下相談医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
仲宿つくも耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科 / 小児耳鼻咽喉科 / アレルギー科
〒173-0005 東京都板橋区仲宿63-5メディカルスクエア板橋区役所前3階
電話番号:03-5944-1471