子どもの鼻づまりが長引く原因は、かぜだけではありません。透明な鼻水やくしゃみが続くアレルギー性鼻炎、粘りのある鼻水や咳を伴う副鼻腔炎、鼻の奥をふさぐアデノイド肥大など、原因によって必要な検査と治療が異なります。片側だけの悪臭のある鼻水では、鼻の異物にも注意が必要です。
この記事の結論
鼻水の色だけで原因を決めることはできません。症状が続く期間、左右差、季節性、くしゃみ・かゆみ、咳、嗅覚、鼻声などを確認し、鼻の診察や必要に応じた内視鏡、耳の診察、アレルギー検査から判断します。毎晩のいびきや無呼吸がある場合は、鼻づまりの原因確認に加えて睡眠時呼吸障害として評価します。
子どもの鼻づまりは何日続いたら受診する?
かぜによる鼻づまりはよくみられますが、経過とともに改善せず数週間続く、何度も繰り返す、睡眠や食事に影響する場合は耳鼻咽喉科へご相談ください。期間だけでなく、症状の強さと生活への影響も受診判断に含めます。
- 鼻づまりや鼻水が長引き、改善する様子がない
- 毎年同じ季節、または寝具に触れると悪化する
- 粘りのある鼻水、咳、口臭が続く
- 片側だけの鼻水や鼻づまりがある
- 食事中に息継ぎが多い、においが分かりにくい
- 鼻声が続く、いつも口が開いている
乳幼児は「鼻がつまる」とうまく説明できません。哺乳中に何度も口を離す、眠りが浅い、鼻をこする、食欲が落ちるなど、普段との違いから気づくことがあります。
子どもの鼻づまりを起こす主な原因
かぜ・急性鼻炎
ウイルス感染によって鼻粘膜が腫れ、鼻水が増えます。発熱やのどの痛みを伴うことがあり、多くは経過とともに改善します。いったん良くなった後に再び悪化する、症状が長引く場合は別の原因や合併症も考えます。
アレルギー性鼻炎
透明で水のような鼻水、くしゃみ、鼻・目のかゆみが手がかりです。スギなどの花粉による季節性と、ダニ・ハウスダストなどによる通年性があります。子どもでは鼻水より鼻づまりが目立ち、鼻をすする、こする、口を開けるといった様子で気づくこともあります。
急性・慢性副鼻腔炎
鼻の周囲にある副鼻腔へ炎症が広がり、粘りのある鼻水、後鼻漏、咳、口臭、嗅覚低下などが起こります。子どもは頬の痛みや頭痛を訴えず、長引く鼻水と咳だけが目立つことがあります。
アデノイド肥大
アデノイドは鼻の奥にあるリンパ組織です。大きくなると鼻を後方からふさぎ、鼻づまり、鼻声、口呼吸の原因になります。耳管の入口に近いため、滲出性中耳炎や聞こえにくさを伴う場合があります。口からの診察だけでは見えないため、必要に応じて鼻咽腔内視鏡などで確認します。
鼻の異物・鼻腔の構造
小さなおもちゃ、紙、食べ物などを鼻へ入れ、本人も保護者も気づかないことがあります。鼻中隔の形や鼻粘膜の強い腫れ、まれな病変が鼻づまりの原因となることもあります。
鼻水・くしゃみ・咳から考える原因の目安
次の表は典型的な傾向です。複数の病気が重なる場合があり、黄色や緑色の鼻水だけで細菌感染や副鼻腔炎と断定することはできません。
| 症状・経過 | 考えやすい原因 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 透明な鼻水・くしゃみ・かゆみ | アレルギー性鼻炎 | 季節、寝具、掃除、目のかゆみとの関係 |
| 粘りのある鼻水・後鼻漏・咳 | 副鼻腔炎など | 期間、いったん改善後の悪化、嗅覚や口臭 |
| 鼻水が少なくても鼻声・口呼吸 | アデノイド肥大、鼻粘膜の腫れ | いびき、聞こえ、耳の病気の有無 |
| 発熱・のどの痛みと同時に始まる | かぜ・急性鼻炎 | 全身状態、水分摂取、その後の経過 |
| 片側だけ悪臭のある鼻水 | 鼻の異物など | 出血、異物を入れた可能性、症状の左右差 |
片側だけの鼻づまり・鼻水は早めに確認します
両側性になりやすいかぜやアレルギー性鼻炎に対し、片側だけの悪臭を伴う鼻水や出血では、鼻の異物をまず考えます。異物が見えても、ピンセットや綿棒で取ろうとすると奥へ押し込むことがあります。家庭で無理に取らず受診してください。
異物以外にも、片側の副鼻腔炎、鼻中隔の形、ポリープや腫瘍などを確認する必要があります。片側だけの症状が続く場合は、年齢にかかわらず診察を受けましょう。
耳鼻科で行う診察・検査
すべての検査を一律に行うわけではありません。年齢、症状の期間、左右差、診察所見から必要な検査を選びます。
| 診察・検査 | 確認すること |
|---|---|
| 問診 | 期間、左右差、季節性、鼻水・くしゃみ・咳、睡眠、耳の症状 |
| 鼻の診察 | 鼻粘膜の腫れ、鼻水の性状、異物、出血部位 |
| 鼻咽腔内視鏡 | 鼻の奥、副鼻腔からの分泌物、アデノイドを必要に応じて観察 |
| 耳・聴力の確認 | 滲出性中耳炎、鼓膜所見、聞こえへの影響 |
| アレルギー検査 | 症状と生活環境から疑う原因アレルゲンへの感作 |
| 画像検査 | 症状が長引く、片側性、合併症など、必要な場合に副鼻腔を評価 |
副鼻腔CTはすべての鼻づまりに行う検査ではありません。診察と経過から必要性を判断し、子どもでは放射線被ばくも考慮します。
治療は原因によって異なります
アレルギー性鼻炎
原因アレルゲンを減らす環境整備と、年齢や症状に合わせた抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などを検討します。点鼻薬は回数を自己流で増減せず、鼻中隔を避けて外側へ向けるなど正しい方法で使用します。
副鼻腔炎
症状の期間と重症度、鼻内所見を確認し、鼻処置、薬物療法などを選びます。色のついた鼻水があるだけで、すべて抗菌薬が必要になるわけではありません。
アデノイド肥大
鼻炎など併存する炎症を治療し、鼻づまり、睡眠、耳への影響を評価します。強い鼻閉、睡眠時無呼吸、治りにくい滲出性中耳炎などがある場合は、アデノイド切除術を含む専門的治療を検討します。大きさだけで手術を決めるものではありません。
鼻の異物
異物の形、場所、子どもの協力度を確認して安全に除去します。ボタン電池など粘膜障害を起こしやすい異物は緊急性が高く、疑った時点で速やかな受診が必要です。
いびき・口呼吸・無呼吸を伴う場合
鼻づまりは口呼吸やいびきの一因ですが、睡眠中の無呼吸にはアデノイド、扁桃、顎顔面の形、体格など複数の要因が関係します。毎晩の大きないびき、息が止まる、胸がへこむ、寝相が激しい場合は、鼻づまりだけの問題として終わらせず睡眠時呼吸障害を評価します。
早めに耳鼻咽喉科を受診したい症状
- 乳児が鼻づまりで哺乳できない、呼吸が苦しそう
- 目の周囲が赤く腫れる、強い頭痛や嘔吐がある
- 片側だけ悪臭のある鼻水や出血が続く
- ボタン電池などの異物を鼻へ入れた可能性がある
- 高熱が続く、ぐったりして反応が悪い
- 睡眠中に何度も呼吸が止まる、顔色が悪い
強い呼吸困難、意識の異常、唇の色が悪い場合は、診療時間を待たず救急相談・救急受診を検討してください。緊急症状がなくても、鼻づまりが数週間続き生活に影響する場合は相談の対象です。
よくある質問
黄色や緑色の鼻水なら副鼻腔炎ですか?
鼻水がなくても鼻づまりはありますか?
子どもの鼻に市販の点鼻薬を使ってよいですか?
アデノイドは成長すれば小さくなりますか?
アレルギー検査だけ受ければ原因が分かりますか?
鼻吸い器は使ってよいですか?
参考情報
※本記事は一般的な情報提供を目的としたデモです。診断・検査・治療は年齢、症状、診察所見によって異なります。


