最終更新日:2026年9月24日
「秋になると鼻水が続く」「河川敷を歩くと目や鼻がかゆい」。そんな症状は、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどによる秋の花粉症かもしれません。東京では、これらの植物は主に8〜10月頃に花をつけます。時期は地域や天候で変わるため、毎年同じ日に始まり、終わるわけではありません。
この記事では、秋の花粉が多い時期と場所、風邪との違い、検査・治療、外出時の対策を解説します。
この記事の結論
秋の花粉症対策は、原因となる草の近くを避けることと、症状に合った治療が基本です。毎年秋に繰り返す鼻水や目のかゆみは花粉症の手がかりですが、症状だけでは断定できません。鼻づまりで眠れない、市販薬で改善しない場合は、長引くまで待たずにご相談ください。
秋の花粉症はいつからいつまで?主な原因植物
東京都では、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの草本花粉が主に8〜10月頃に飛散します。下表は目安で、地域や天候によって始まり・終わりは変わります。イネ科は種類によって花の咲く時期が異なり、秋に花粉が飛ぶものもあります。
| 主な植物 | 飛散の目安 | 生えやすい場所 |
|---|---|---|
| ブタクサ | 8〜10月頃 | 河川敷、空き地、道端 |
| ヨモギ | 8〜10月頃 | 河川敷、土手、草地 |
| カナムグラ | 8〜10月頃 | 道端、荒れ地、河川敷 |
| イネ科 | 春〜秋(種類による) | 公園、河川敷、草地 |
スギやヒノキの花粉は風に乗って遠くまで飛びますが、草本花粉は比較的飛散距離が短いとされます。そのため、自宅や通勤・通学路の近くに原因植物があると症状が強くなることがあります。
秋の花粉症の症状|風邪との違い
主な症状は、連続するくしゃみ、水のような鼻水、鼻づまり、鼻・目のかゆみです。のどの違和感、咳、頭が重い感じ、集中しにくさ、睡眠の質の低下につながることもあります。
| 特徴 | 花粉症で多い | 風邪で多い |
|---|---|---|
| 鼻水 | 透明でさらさら | 経過とともに粘りや色が変わることがある |
| かゆみ | 鼻・目のかゆみを伴いやすい | 目のかゆみは通常目立たない |
| のどの症状 | かゆい、いがいがする | いがいがする〜痛い |
| 発熱・全身痛 | 通常は目立たない | 発熱、だるさ、筋肉痛を伴うことがある |
| 経過 | 特定の季節・場所で反復 | 数日単位で変化し、多くは改善へ向かう |
この違いはあくまで目安です。アレルギー性鼻炎に感染症を併発することもあり、黄緑色の鼻水だけで細菌感染と断定することもできません。
耳鼻科での診察とアレルギー検査
まず、症状が始まった時期や、外出先・室内での違いを伺い、鼻の粘膜の腫れや鼻水の状態を診察します。必要に応じて、血液検査でブタクサ・ヨモギ・カナムグラ・ダニなどへのアレルギー反応に関わる抗体を調べます。
検査が陽性でも、それだけで今の鼻水の原因とは決められません。症状が出る季節や場所、鼻の所見と検査結果を合わせて判断します。検査方法については、当院の「アレルギー検査」のページもご覧ください。
秋の花粉症の治療|薬はいつから使う?
治療の中心は、原因花粉を避ける対策と薬物療法です。抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、点眼薬などを使います。
毎年秋に症状が出る方は、例年の症状が始まる頃に向けて治療を相談しましょう。すでに鼻水やくしゃみが出始めている場合も、強くなるまで我慢する必要はありません。
使用する薬は、鼻水・鼻づまり・目のかゆみのどれがつらいか、年齢、眠気や運転への影響などを確認して選びます。市販薬を使っている場合は、薬の名前や写真をお持ちください。
点鼻薬は処方時の説明に従って使用してください。市販薬と処方薬の重複に注意し、血管収縮薬を含む点鼻薬は長期間連用しないようにしましょう。
舌下免疫療法は、国内ではスギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎が対象です。秋の草本花粉に対する舌下免疫療法は現在のところありません。
散歩・運動会・屋外活動での花粉対策
秋の草の花粉は、スギ・ヒノキに比べて植物の周辺での影響を受けやすいのが特徴です。花粉が飛ぶ時期には、草が多い河川敷や空き地に近づかないことが対策になります。
- 散歩や通学では、症状が出やすい草地を避ける経路を選ぶ。
- 屋外で過ごす際はマスクや眼鏡を活用する。暑さや運動の強さに応じて、無理なく使う。
- 帰宅時は衣服の花粉を払い、手洗い・洗顔をする。
- 草刈りや除草で症状が出る方は、作業を代わってもらうなど接触を減らす。
運動会やスポーツで症状が支障になる場合は、あらかじめ薬の眠気や使い方を相談してください。咳や息苦しさが出たときは、花粉症だけと考えて運動を続けないようにしましょう。
室内や寝起きの症状が目立つ場合は、ダニなどの原因も検討します。秋だから花粉症と決めつけず、症状が出る場所や時間帯も診察時にお伝えください。
耳鼻咽喉科を受診する目安
鼻づまりで眠れない、仕事や勉強に集中できない、市販薬で改善しない場合は、症状が始まって間もなくても受診してください。毎年同じ季節に繰り返す方も相談の対象です。
発熱や強い顔の痛み、片側だけの悪臭を伴う鼻水がある場合は、花粉症以外の原因も確認します。咳が続く、ゼーゼーする場合は喘息なども考えます。急な強い息苦しさや、顔・のどの腫れがある場合は救急受診が必要です。


